「行ってらっしゃい。こっちはこっちで仲良くやってるから」
聖華は幸せそうな笑みをみせつつも、早くいなくなれと顔が言ってる。
「はいはい」
諦めて奄美さんについていくことにした。
「栗崎って、家じゃどんな感じなの?」
「そうですね…。とても優しいお方ですよ」
「そう言えって言われてるの?」
奄美さんを横目でチラッとみた限りでは、まじめそのものと言った顔だったけど。
「こちらです。ごゆっくりどうぞ」
最後のは嫌味なのか。
奄美さんって意外と性格きついのかも。
後姿を見送って、ちょっと笑ってしまう。
……さて、問題はこれからだ。
この扉の先に、栗崎がいるんだろうけど、どうしてわざわざ家に来るように仕向けたんだろう。
奄美さんの話だと、そういうことのように思えるんだけど。
でも今から戻っても、綾村と聖華の邪魔になるし、黙っていなくなると栗崎に何されるかわかんないし。
覚悟を決めて行くしかないわな。
深く息を吸って、栗崎の部屋の扉をノックした。

