うちの返事に、彼女は納得したように頷いた。
「友也さまの言う通りです。ちゃんといらっしゃいました」
「何の話だよ」
一人で勝手に納得してる感じだけど、何が栗崎の言う通りなわけ?
「友也さまなら、ご自分のお部屋にいらっしゃいますわ。稜が来たら案内しろと仰ってましたから」
もう一度手でスリッパのほうを示して、自分も玄関を上がる。
頭の中ははてなだらけだけど、とにかく栗崎は家にいるみたいだし、うちも靴を脱いで玄関を上がった。
「こちらで少々お待ちください」
奄美さんがうちらを居間に案内して、紅茶を出しながらそう言った。
もちろん、外見と同じく居間の中も豪華な装飾が施されている。
「友也いるみたいでよかったね」
綾村が紅茶をすすりながら微笑んだ。
「……別に、会わなきゃそれでいいんだけど」
「素直じゃないんだから、稜ちゃんは」
「そうよ。素直になれっていっつも言ってるじゃない」
2人してうちの曲がった性格を指摘する。
…自分でもわかってるってば。
いい加減素直を通せればいいんだけどね。
「真木さま。坊ちゃんがお部屋でお待ちです。どうぞ」
「え、うちだけ?」
「えぇ」
当たり前です、とでも言いたげな顔で奄美さんはうちを促した。

