戸惑い顔の聖華と、キョトン顔のうちは階段の踊り場で立ち止まった。


「なんでそう思うわけ?」


「え……だって…栗崎先輩が…」


まだ戸惑いながら聖華はそう言った。


まさか栗崎がうちと付き合ってるなんて言ったんじゃないでしょうね。


「栗崎がなんだよ」


「……稜と両思いだったって」


なんだ。


そんなことかい。


心の中でほっとした。


「だからってなんでうちと栗崎が付き合ってると思うんだよ」


「いや……両思いだってわかった栗崎先輩が稜と付き合わないわけがないじゃない」


まるで当たり前と言った顔で聖華はそう言った。


うん、まぁね。


「でも、栗崎と付き合っちゃいないよ、うちは」


「え、そうなの!?なんで!?」


「なんでって……。栗崎に付き合おうとか言われてないもん」


うちも言わなかったし。


というかそんなこと言えるような状態じゃなかったしね、うちは。