次の日の朝は、遅刻ぎりぎりのタイミングで起きてしまった。


「やばいっやばいって、マジで!!」


そう叫びながら着替えを済まして、ご飯も食べずに家を飛び出した。


その間たったの5分。


自分でも驚くくらいのスピードで、学校へと向かう。


こんなに急いで行く必要はきっと、ないんだけど。


昨日栗崎にあんなこと言って、今日遅刻なんかしたら怖気づいてたって思われるかもしれない。


そんなのイヤだもん。


持ち前の負けず嫌い精神が出てきて、教室に滑り込むと同時にチャイムが響き渡った。


「やりっ」


バイクを飛ばして5分のところを3分でついたから、遅刻しなかったんだね。


ガッツポーズを決めている私を、クラスのみんなは笑顔で見ている。


右手を突き上げて見せると、みんなも小さくガッツポーズしてくれた。


教団の上でみどり先生は、いつものように目を見開いて呆然としてる。


「おはよ、先生っ」


馬鹿にしたような口調で挨拶をして、自分の席へと大股に歩く。


「おはよう……」


呆然とした顔のまま、ほぼ無意識にみどり先生はHRを進めた。