「帰ろうか」
満面の笑みでうちの手を引っ張る。
「ん…」
まともに栗崎の顔を見れなくて、俯いたままちょっと後ろを歩く。
ゲーセンを出ると、もう外はだいぶ薄暗くなってきて、肌寒い。
制服なんか着てるから、余計寒い。
やっぱり、中ランがいいって。
そんなこと、口が裂けても言えないんだけど。
「寒っ…」
ちょっと歩くと短いスカートに慣れてないせいもあり、足が震えてくる。
「大丈夫?」
手を引っ張って体を密着させるようにして、うちを暖めてくれる。
「わっ……」
引っ張られた勢いで、足元がふら付く。
ギュッと栗崎の服を掴んでバランスをとってしまった。
「いつになく大胆だね、稜ちゃん」
冗談で言ってるのはわかるけど、それでもまた顔は赤くなる。

