なんか言えよ栗崎……。
ただただじっと黙っている空間が耐え切れなくなってきたころ。
「ちょっ……」
いったん離れていた栗崎がまたうちに抱きついた。
「ヤバいんだけど……」
「な、なにが」
だいぶ具合悪そうな声を出すから、ちょっと心配になる。
「超嬉しいんだけど」
「は?」
そんな声のトーンで言うことじゃないと思うんだけど…。
とりあえず、栗崎は本当に嬉しいみたいで、うちをもっと強く抱きしめて、ハーっと幸せそうなため息をついた。
「いつから?」
「は、何が」
「俺のこと、いつから好きなの」
声を聞いてるだけでも、栗崎の口元がゆるゆるなのがわかる。
「教えてやらねー」
ついつい意地悪くなってしまうのはもうご愛嬌ってことで。
「ま、いいけどね」
なんとなく上機嫌な栗崎は、パッとうちから離れて、手をギュッと握った。

