うちの手に握られている黄色い物体は、さっき栗崎が取ったプーさんだった。
「これ……」
両手に大切に乗っけて、栗崎を見つめる。
「うん。あげる、稜ちゃんに」
さっきとは打って変わってとっても優しい笑顔で栗崎はそう言った。
「ホント!?ありがとう、栗崎!!」
今のうちはなんだってできそうなくらいテンションが高い。
栗崎に抱きつきそうなくらいなんだもん。
「いいえ。でもさ……」
だけど、やっぱり栗崎は栗崎で、うちだけが得するわけには行かないみたい。
「ん、なに?」
プーさんを眺めながら栗崎に適当に返事をする。
でも、耳に入ってきたのは信じられない言葉で、思わずプーさんを取り落としそうになる。
「キスしてよ、稜ちゃんからさ」
「は?」
栗崎を見つめてフリーズしたうちに、もう一度栗崎は"キスしてよ"と詰め寄った。

