こいつを目の前にして素直になれるなんてどれだけ難しいことか、うちは痛いほど分かってる。
栗崎に背を向けて、頭をわしゃわしゃかいて、顔をしかめた。
ムリ……。
絶対素直になんてなれない。
こういうとき、聖華とか栗崎の素直さが羨ましいと心底思う。
「そこ2人もくっついちゃったことだし、ここから別行動する?」
栗崎の提案に聖華も綾村も反対するわけもなく。
うちの意思には関係なく、聖華と綾村は腕を組んでいなくなった。
「……さぁて、稜ちゃん?」
周りに人がいないのを確認すると、栗崎は怖いくらいニヤっとした。
「なっなんだよっ…」
うちと目線を合わせながら、栗崎はじりじりとうちを追い込む。
「あっ……」
UFOキャッチャーと栗崎に阻まれて、うちはどうにも動けなくなってしまった。
口元を緩ませたまま、栗崎はクイっとうちに顔を寄せる。
「んだよっ……」
顔を背けて小さく呟く。
今はなぜか栗崎を凝視できない。

