仕方なく、機嫌はどん底のまま綾村と聖華を探す。
「あ、いた」
栗崎が先に見つけて、2人のところへ向かう。
栗崎のちょっと後ろから付いて行きながら2人を眺めて、少し違和感を覚える。
「ね、翼先輩、あれやりましょう?」
ん?
ちょっと待てよ。
聖華は、綾村のこと"綾村先輩"って呼んでなかったっけ?
いつの間に"翼先輩"って呼ぶようになったのかな?
その変化に栗崎も気づいたのか、ちょっと手前で止まって2人を見つめる。
「あ、友也」
「な、翼……」
「…俺ら、付き合うことになったから」
栗崎の戸惑いの意味がわかったのか、綾村は唐突にそう言った。
『はぁ!?』
栗崎と声を揃えて声を上げる。
「そゆことだから」
聖華はいかにも嬉しそうに、微笑んでみせる。
「……よかったじゃんっ!!」
頭の中で綾村の言葉の意味を理解して、それと同時に嬉しさがこみ上げた。
聖華にギュっと抱きつくと、"よかったね"と何度も呟いた。
聖華も抱き返してくれて、"ありがとう"と言った。

