聖華はすぐにかばんを置いて教室から出てきた。
「行こうっ!?」
目をきらきら輝かせながらうちの腕を引っ張る。
「あ?」
「あ、じゃなくて!!綾村先輩んとこ、行こう?」
まるで幼い少女みたいに、うきうきとして、ついでに栗崎も引っ張る。
「聖華ちゃん……翼なら、そこにいるけど」
栗崎が少し言いにくそうに聖華に告げる。
「えっ!?」
振り向いた聖華のすぐそこに、状況を飲み込めていない綾村の姿があった。
「キャっ!!綾村先輩!!」
おはようございます、と顔を真っ赤にして聖華はピョコっと頭を下げる。
「うん、おはよう」
相変わらずの微笑みで聖華に笑いかけたあと、目が合ったうちにもニコっと微笑んだ。
「え、何!?なんで綾村先輩が稜に笑いかけるわけ!?」
こうなった聖華は死ぬほど面倒くさい。
「は、お前俺の女に手出そうってのか!?」
聖華はうちに、栗崎は綾村にすごい勢いで詰め寄る。
「俺と稜ちゃんとの秘密だよ。ねぇ」
うちと綾村は"ねぇ"と頷きあった。

