本当言うと、栗崎にこういうこと言われるのがイヤじゃない自分がいる。
うちは素直じゃないから、栗崎のこういう言葉がすごく羨ましいと思う。
「何、嫉妬してんの?」
「バカっ!!んなんじゃねぇよ」
赤かった顔をもっと赤くして、栗崎はうちの後ろに隠れるようにした。
「……付き合ってもねぇのに、変なこと言うなよ」
消え入りそうな声でうちもちょっと弱気になる。
こんなとこ組員に見られたら終わりだな。
「じゃ、付き合う?」
一瞬にして表情を変えた栗崎に、ちょっと安堵した。
ずっとあのままじゃ調子狂うからね。
「バカか」
うちも同じくテンションを一瞬にして上げて、栗崎の足を思い切り踏んづける。
「痛っ!!」
驚いて腕を放した隙に、パッと逃げる。
「稜。おはよ」
声に振り向くとニヤニヤした聖華が立っていた。
「お、おはよ」
「ラブラブ……だね」
片目をつぶって、親指を立てて見せる聖華を軽く殴る。
「いったーいっ!!」
それでも聖華は笑いながら、教室に入っていった。

