「何、しに来たの?」


とりあえず、居間に通して、麦茶を出してから彩夏ちゃんに疑問をぶつける。


「相変わらずね、稜ちゃんは」


うちのカッコを見て、彩夏ちゃんはクスクス笑った。


「香矢に会いに来たんだけど」


当然のような口調で言うけど、あれ?


「香矢になんか、会おうと思えば会えんじゃないの」


そりゃ、そうでしょ?


香矢と彩夏ちゃんは、付き合ってるんだから。


この間香矢に聞いたときは、ちゃんとした答えもらえなかったけど、顔真っ赤にしてるんだからきっとまだ付き合ってるんだろう。


「うん、そうなんだけどね……」


うちの質問にちょっと眉を寄せる。


「何、香矢となんかあったの?」


好奇心旺盛な現代っ子ならではの野次馬精神全開にして、身を乗り出す。


「なんかあったってわけじゃないんだけどね。最近会ってないから」


少し寂しそうに微笑んだ彩夏ちゃん。


「会ってないって……どれくらい?」


「1ヵ月半」


「はっ…!?」


開いた口がふさがらない。