「ゴメンゴメーン!」


表(おもて)の方で、息を切らしたハルの声が聞こえた。


「石田ー、石田ぁー。……もう帰ったかなあ?」


暗転幕越しに表の様子を気にしていた石田が、また私の方に向き直った。


「あ、あたしはどーすればいいワケ!?」

「自分で考えろよ」

「でもっ──!」

「へつらって接してたら、一生、幼馴染みとしか見てもらえないよ」


じゃ、と言って石田はステージに出ていった。