「佐渡さん、ハルは? まだ来ねーの?」


抑揚のない声で話す。


「知らないし。あたしに聞かないでよ」

「だって幼馴染みなんでしょ?」

「まあ……」


私がそう言ったきり、石田は何も言わなくなった。

クラスも違うし話す機会もなかったから、それ以上発展する話題がない。


気が付けば、石田は静かにして、その辺りに放られていた椅子に足を組んで掛けていた。