君の目に映るもの

いつも彼は私に囁く。
その声は優しく、甘い。
彼は微笑み私を強く抱きしめるけど
そこに愛なんてものはない。






愛のない恋なんて、もうイヤ。
もう、どうなってもいいからこの関係を終わらせたい。でも、それを言ったら彼がどうするか・・・。だいたいは分かってる、やっぱ怖い。でも言うしかない。






私は激痛のせいからか朦朧とする意識の中、意を決して口を開く。










「・・・・・・・ねぇ」








「ん?・・・何?」










まだ私を抱きしめたままの彼は
私の耳元で小さく返答する。