ど…どうしたんだろう、私…。
「やぁっと起きたか、中野っ!入学式の朝から居眠りなんて、度胸あるなぁ!」
ガハハハッと、熱血先生は笑っていた。
「…ぅあっ、やべえ!すいません!」
「まぁ、いいだろう!藤原が起こしてくれたんだぞー!感謝しとけよー!藤原、ありがとうなっ!」
「え?あ、はいっ…?」
私は熱血先生の話なんか全く聞いていなかった。
そう…―。隣の席の中野くんに、見惚れてしまっていた。
少しクセのついた茶色い髪、クリッとした澄んだ瞳に、ぱっちり二重の目。薄めの唇に筋の通った鼻。
全てが完璧だった。
