―急に視界に光が差し込んできたと同時に、
「…か、楓花っ!」
と、誰かに名前を呼ばれた。
「ん〜…だぁれぇ?起こさないで…ょ。グゥ…」
「…っ、起きろおぉおっ!」
「う、きゃあぁぁー!?」
私はバッと目を開け、近所迷惑なんじゃないかと思う位の叫び声を上げた。

いや、そりゃあ…ね?
耳元で大声で「起きろぉっ!」なんて言われたら…
叫びたくもなりますよ。
てか叫んじゃいますよ。

「だ、だれ…って、美亜!?」
「だれ?じゃないわよ、全くもうっ!せっかく美亜サマが起こしに来てあげたのに、全然起きないんだからっ!」
声のする方を見ると、そこには、ちょっと女王気取りな性格の私の親友、佐々木美亜が仁王立ちしていた。

…こわっ∑

そして彼女は一言…
「てかさぁ…遅刻するわよ?」
そう呟いた。
「…だれがっ?」
「あたしと楓花が!」
「…なんで?」
「なんでって…!あんたが寝坊したからでしょー!」
「えっ、わ、私がっ!?」
「そうよ!って…どうでもいいから早く支度しなさぁいっ!!」