部室の中、一人の少年が、机に鬱ぎ込んでいた

「暇だ…」

消えそうな声で独り言を呟いた、山田だ。


「猿渡は来ねーし」

猿渡は今、試験週間中なのよ。
三年だけ早いのよ。


「何かないかなー」

―コンコン

ドアの音がなった。

「は~い」

だるそうに返事したあとに、一人の男子生徒が入ってきた


「雑用部とは、ここでよろしいのかな?」


気持ち悪。それが第一印象だった。


「何ですか?」


「フッ」

綺麗な黒髪を髪を触りながら

「実は、悩みがあるのだが」


「知るかボケェ。こっちはお前の悩み聞いてるほど、暇じゃないのでー」


「さっき暇と連呼してたのを、この耳で聞いた。忙しいはずがない」

そう言って、髪をパサ?ハラリ?…まぁ触ったわけである

「地獄耳ですか?」


「最近、ストーカーされててね」


「へぇ」

そう言って、山田は耳掃除を始める

しかし、相談客はそんなことはお構い無しに話を続ける


「イケメンというのも罪なものだ…。僕はどうすれば…ああ」

そう言って、大げさに手を顔にあてる


「へぇ」

相変わらず耳掃除をする山田