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「キャッ!!!」
路地裏で、少女らしき悲鳴が聞こえた。
すぐ近くには、縄を持った少女が立っていた
「私の者をたぶらかして…お仕置きしてあげる」
そう言うと、持っていた縄を少女の首にかける
「さよなら」
―ゴキッ
※
朝。
先生が深刻な顔をしながら、みんなに言った
「えー昨日の晩に、三年二組の相田倖さんが、不審者に襲われました。今は入院しています」
この後、極めて悪質やら何やらを言って、SHRが終わった。
猿渡の中には、ある考えが浮かんだ。
いや、それはないよな、と考えを否定したいのだが、どうしても沸いて出てくる
「おい、秀吉」
哲が深刻な顔で近づいて来た
もしや、と思ったが、敢えて聞かなかった。
「相田倖って子、俺の従兄弟でさ、もしかしたらあいつが勘違いして…」
考えが、確信となった。
「…」
「俺の…せいだよな?」
珍しく、困った顔をする哲。普段のふざけた態度とは大違いだ
「落ち着けよ。まだ決まったわけではねーだろ」
「俺、直接話してくる」
「いや…待てよ」
行こうとする哲を慌てて引き止めようとしたが、哲は猿渡の言葉を聞こうとしない
「下手に動くと余計に変なことになるかもしれねーだろ!!おい、待て!!」


