猿渡はいろいろ言われた後、毒舌すぎる兄妹に別れを告げ、店を出た。その帰り道


「……お前、何やってんだ?」

電柱の陰から見ていた少女に気付いた


「私は……目立ちたい」


静かにそう言った


「…会話に…入りたかった…静さんと……友達になりたかった……私だけ……呼んでくれない………私だけ……仲間外れ………」


「うん。言い方がね、怖い
幽霊役で、一回テレビ出てみたら?女優ナントカ賞絶対とれるから」


「うるせー、カス」


さっきまでとのおどおどした態度とは一変し、真っ直ぐ猿渡を見て、はっきり言った


「では………失礼します………」

ウン子は後ろを向き、帰っていった


「…俺の周り、毒舌多すぎねーか?」


言葉は夕暮れの空に溶けていった



-end-