緋桜鬼譚



「食べられるのを防ぐという意味じゃ効果的でしょうけど、朔緋ちゃんにとっちゃあいいことばっかじゃないでしょう。触れることすらできないんじゃねえ」


「どういう、」


「あれ違った? だって朔緋ちゃん朱都のこと好きでしょ?」


 ――どうして今、そんなこと。


 朱都への想いなど忘れようと、断ち切ろうとした矢先だ。どうしてその決意を揺るがすような事実を今突きつけるのだ――