朔緋の全身を見るように、足許にも視線を向けた朱都の目が見開かれる。その真紅の瞳に映るのは、檻の中で唯一美しかった銀の輪だ。 「……これだ」 「これが?」 「鬼に喰らわれないよう、まじないがかかってる……くそっ、これじゃこいつが解けるまで、傍にいるしかないじゃないか」