「………嫌。何でもねぇ」 掴んだ腕を離すおじさん。 さっきまでの怖い顔はどこへ行ったの。 「そっか。バイバイ。先生」 ニコッと微笑むと私は玄関を開くと廊下へと出る。先生か…先生なんて初めて呼んだな。 ふと颯斗の部屋を見た。 玄関のドアが開くと颯斗と女の子が出て来る。 「今日はありがとう」 「ああ。また明日な」 二人は触れるだけのキスをし女の子は部屋を後にする。 彼女かな? どこかで見た事ある様な…ない様な…。 颯斗は私に気付き、気まずそうに頭を掻く。 何で気まずそうにしてるの?