「…親父になら話してるぞ?」


「…そうなの?」


「ああ。頼むと言ってたな。殴られる事もなかった。かなりびびったけどな」




笑いながら話す先生。
先生…そこまでしてくれて…。
私の為に…?




「後、俺、こっちに戻って来るから、何も心配するな。お前の母校に正式に転勤になったから。当分移動はねーだろ。ってか、移動させねーしな」


「………先生…ありがとう」




私は先生に抱き着いた。
本当に…ありがとう。


今…すごく幸せだよ。
先生と出会えてよかった…。


六年前の事件がなかったら…遠回りせずに済んだかもしれない…。


ううん…違う…。


あの事件があったからこそ
今の私達がいる…。
私は…そう思ってる。


先生が…。


悠也が…。


そう思わせてくれたんだよ。


私は一人じゃない。


これからは
あなたと生きて行く。