1ヶ月が過ぎて、あたしと相川さんは
互いの事を「美月」「留美」と呼び合うようになっていた。
「美月ぃ~一緒に帰ろう」
5月のゴールデンウイークが始まる前の教室で、留美の明るい声が響き渡る
その声に反応したクラスメートの男の子達は、一斉に留美を視線で追い、話しかけようとするけど
留美は、そんな男の子達の視線をすり抜けるように
あたしに真っ直ぐ向かってきて
「早く帰ろう」と、ムギュッと抱きついてきた。
留美から抱きつかれたあたしを羨ましそうな視線で見つめてくる男の子達に気づかぬ振りして
「うん、帰ろう」と、留美と一緒に教室を後にした。

