「にしても、美月幸せ者だよなぁ。
こんなにカッコいい俺達に心配されててさ。
アイツ、ちゃんと分かってんのか?」
「さぁ、どうだかぁ~」
俺は、そう呟いて窓から見える空を眺めた。
あの日も、今日みたいに雲1つない青空だったなぁ…。
アイツは、美月は、中3の春に俺達が通っていた中学に転入してきた転校生だった。
美月を初めて見た時から、俺は、美月に恋をしていた。
あの子の事があってから、もう誰も好きにならないって決めていた俺の心を
アイツは一瞬で簡単に持っていきやがった。
「よろしく」
俺の隣の席に座りそう一言いって笑っただけで…。
俺はアイツを…美月を好きになっていたんだ…。

