「おい、蓮。お前、こんなとこで何サボってんの?」
ダルそうに、教室のドアから顔を覗かせた隆。
「隆。お前こそ、なんでいんだよ?」
「別に。お前がトイレ行ったあと、気になって教室見たらさ、美月が女子達に囲まれてるの見えたからさ」
ポケットに手を突っ込みツカツカ歩いて、俺から少し離れた場所に腰をおろした隆。
「てっきり、お前が王子様になってんじゃねぇかと、様子見にきたんだよ」
「誰が王子様かよ、気色悪い」
まぁ、そうムキになんなよと、俺の肩をポンと押した。
「なにすんだよ?」
「そんなにツッカかんなよ。お前さ、あの子の事思い出して、また自分責めてたんだろう?」
相変わらず鋭いな…隆は…。

