「ねぇ」
「なに?相川さん」
「良かったら、一緒に帰ろう」
“一緒に帰ろう”って…なんてステキな言葉。
「うん。帰ろう」
あたしは、そそくさと帰る準備を始めると、まだいた蓮に
「じゃあ」だけ言って、相川さんと一緒に教室をあとにした。
まぁ、ちょっとだけ、蓮がいる教室に後ろ髪ひかれたけど…。
廊下を少し歩いて、立ち止まり、後ろを振り返って見たけど、蓮は教室の中にまだいるようで、姿は見えなかった。
放課後、蓮が教室に来るなんて珍しいし…。
まさか…あたしが囲まれてるの窓から見えて助けに来てくれたとか…?
・・・・ないか。そんな事。
「藍沢さん?どうしたの?ボーとして」
「へっ?うぅん。なんでもない。帰ろう」
あたしは、パタパタと相川さんの隣に駆け寄った。

