「お待たせ!!レジ混んでてさ!!」 遠くから駆け寄る蓮の姿が霞んだ視界の先に見えた。 ハッキリと蓮の顔見たいのに、なぜだろう?顔を上げることも、こぼれ落ちる涙を拭うこともできなくて、ただ…両手で握りしめていたラベンダーの香りがする里穂さんのハンカチだけを眺めていた。 「じゃあ、あたし帰るね」 さっきまで横に座っていた里穂さんが、そう言って急に立ち上がって慌てて顔を上げた。