「蓮のバカ、知らない。嫌い」


そう言って背中を向けた。蓮のバカ。オオバカ!!


許さないから!!


そう思ってたのに…。


「ごめん…許して」


耳元で言われて同時に後ろから抱きしめられた。



「ちょっ…蓮!!?誰か来ちゃうよ!!」


「シッ。黙っとけって。ちょっとだけ…このままでいさせろ…」



背中から伝わる蓮の鼓動と耳にかかる蓮の息づかいにクラクラしそう。


風が木の葉を揺らすのをボーと眺めた。

少し暖かい風がもうすぐ訪れる暑い夏を感じさせた。