「そっかぁ…」 「うん」 互いに照れくさそうに顔を背けては、互いの顔を見合わせる。 風の音しか聴こえない公園に、お互いの鼓動だけが刻む音を感じた。 「…じゃあ、帰ろうか?」 名残惜しそうな表情でボソッと呟く蓮にうんと頷いてゆっくりと歩き始めた。 いつも見慣れた景色や空気が何もかもが特別に感じた。 空に浮かぶ一番星も、道端に咲く小さな名を知らない花も。 何もかもが特別に見えたよ。 蓮も、同じ気持ちでいてくれたらいいな…。