【美月side】
突然、蓮の顔が近づいてきてドキンと心音が跳ね上がった瞬間…気付いたら、キス…されてた…。
トクン…トクン…と鼓動がうるさい。
余りにも突然過ぎて瞳は見開いたままで、蓮の肩越しに地平線に沈む夕日が見えた。
ど…どうしよう?
この場合…あたし、どうしたらいいの?
それはほんの一瞬だったのに…まるで時間が止まったように長く感じた。
ゆっくりと蓮の唇が離れて、街灯の灯りに照らされた綺麗な蓮の瞳をジッと見つめた。
「わ、わりぃ…」
そう蓮が言って恥ずかしそうに顔を背けた。
あ…あたし…今…蓮からキス…されたんだ…。
ようやくこみ上げてきた感覚や唇に残る感触でそのことが現実だと気づいた瞬間
「わっ…!」
微かな叫び声をあげて唇を両手でおさえた。

