「楽しかったねぇ」 「そうだなぁ…」 楽しかった時間はあっという間に過ぎていき、もう夕暮れ時の空はオレンジ色に染まっていた。 美月の家まであと15分。このまま歩けばすぐに着いてしまう距離に俺は思わず 「あそこ、ちょっと寄ってかないか?」 通りの向こう側に見えた小さな公園を指差した。 「う、うん」 少し嬉しそうな顔で頷く美月。 美月も俺と同じ気持ちでいてくれたのかな? このまま帰りたくないって思ってくれていたのかな?