『友達以上恋人未満』から始まる恋

この日は始業式で、学校は午前中まで。
だけど、俺には部活がある。

仲良しだった友達と別々のクラスになった美月は、不安そうな顔で辺りをキョロキョロしていた。


「お前、まだ友達できねぇのか?」


通りすがりにボソッと言った俺の言葉に

「うるさいわね。早く行ったら?テニス馬鹿」


また可愛くねぇ言葉で言い返してくる美月。


「お前さぁ、もう少しその言葉使いどうにかならないか?

可愛くねぇ~な」


“可愛くねぇ~な”

ホントはそんな事、一度も思った事ねぇのに。

俺って本当に素直じゃねぇな…。