「…ふ…ぇ…?」
「あー…もう。
顔まで泥んこにして」
あたしの襟首を掴んだまま、片手であたしの顔を取り出したハンカチでガシガシっと拭く。
「――ったく。
こんなところで迷子になるなんて…。
ちゃんと先生から聞かなかったのか?
入り口のところで待っとけ、迎えに行くって言っただろ?」
「…あー…」
そういえば…合格って言われたあと、何か言ってた気もするけど…早く担任に会いたくて…きちんと聞いてなかったかも…。
「おまえには学習能力がないのか?
まーた、同じところで迷子になりやがって」
「…?」
「心配すんだろ?」
…?
わけがわからず見上げた担任の、髪を伝って落ちる雨粒の向こうに、雨の上がった空と虹が見えた。
「あー…もう。
顔まで泥んこにして」
あたしの襟首を掴んだまま、片手であたしの顔を取り出したハンカチでガシガシっと拭く。
「――ったく。
こんなところで迷子になるなんて…。
ちゃんと先生から聞かなかったのか?
入り口のところで待っとけ、迎えに行くって言っただろ?」
「…あー…」
そういえば…合格って言われたあと、何か言ってた気もするけど…早く担任に会いたくて…きちんと聞いてなかったかも…。
「おまえには学習能力がないのか?
まーた、同じところで迷子になりやがって」
「…?」
「心配すんだろ?」
…?
わけがわからず見上げた担任の、髪を伝って落ちる雨粒の向こうに、雨の上がった空と虹が見えた。

