右手でプリンの容器を持ち、左手でネクタイを緩めるイケメン担任のドス黒くも涼しい笑みにぶつかった。


「おまえな―。
ちゃんと北條先生と呼べ」


イケメン担任は眉をしかめながら偉そうにあたしに命令して、あたしの右手のスプーンをひょいっとつまみ、あたしの横にドカッと腰を下ろすと―――


「あ――っ!!
それ、あたしのプリン――っ!!」


「それがどうした?」


イケメン担任はそんな愛想のない言葉だけで――


「仮病で授業サボってまで手に入れたのに――っ!!」


あたしが悪に片足つっこんでまで手に入れた汐里プリンを


「ふーん。
それほどのもんじゃねーと思うけど?」


涼しい顔でパクパクと食べ、


「ごちそーさんっ
これは授業をサボったバツだと思え」


カラになった容器をポスっとバランスよくあたしの頭の上に乗せた。