手を伸ばした先に、もう少女はいない。夢は覚めてしまった――水面に映るのは、彼独り。零れた涙でも、その事実を変えることはできない。 「守れなくて……ごめん」 誰にも聞かれない償いは空へと消えていく。赦す者など、いないかのように。 それでも彼は償い、そして歌う。幻でもいい、少女に歌が届くように。 詩に乗せた想い、生涯ただ一度のそれは、確かに恋だった。