「……悲しい話ね」


「ああ、悲しい話だ。……けどね、悲しいのはこれだけじゃないんだ」


 竪琴を弾きながら、“彼”は“少女”に訊ねた。


「どうして、何度も君は僕に姿を見せるのだろうね……」


 姿が見えるだけで、もう少女を抱きしめることもできない。触れれば消える、夢のように。――もう二度と触れられない。