「うん…今思い出した…!!!」
そうだ…
あの声。あの背丈。
夢に出てきた人だ。
じゃあやっぱり、妖怪…
…だけど気配が普通の人間だから、話の通り半分は妖怪なんだ。
「やっと思い出したか。
俺が鴇葉の隣の席になるようにわざと仕組んだのに、全く気づかねぇんだもんな。」
いまだにクックッと笑いを堪えて話してる。
「それはっ……
ほとんど覚えてなかったし……」
というより、あの夢自体おかしいだなんて思わなかったし。
「颯悸くんはすぐわかってくれたのにねー。」
アハハと可愛く笑って話す女の子。
「…ねぇ、颯悸。あの女の子誰?」
神城…ヨウくんの隣に立ってる女の子。
不思議に思いあたしは、クイッと颯悸の服を引っ張って小さな声で尋ねた。
「あれは俺のクラスの転校生で、神城………スイだっけ?」
「……………神城?」
同じ名字…???
「あぁ。そういや、お前らの学年に双子の転校生が来るって話あったな。」
いきなり思い出したように話した風哉くん。
今の今まで、風哉くんの存在忘れてた……
「半妖の双子か……」
そう呟いた颯悸の言葉が聞こえたのか、ヨウくんが話し出した。
「そ。俺らは半妖の双子。
普通じゃない。特別なんだ。
だから、妖怪に命を狙われてるって訳。」
い、命を!?
「なんで!?」
思わずおっきな声が出てしまった。
「まぁ、俺らみたいな中途半端なヤツを嫌ってるだけじゃねぇ?」
たったそれだけで…?


