「もういいのか?」 「うん。ありがと。」 あたしの少し後ろで待っててくれた颯悸に笑って言って、社を出ようと歩きだした。 ―その時。 《 ありがとう 》 そんな優しい声が、ふわっと聞こえた。 思わず立ち止まり、後ろを振り帰る。 あの丸い石が綺麗に輝いて見えた。