『…ぅう゛っ…………』






黒い気に包まれて、うめきながら苦しんでいる。






「…………妖か。」






颯悸がボソッと呟く。






…そう、妖。



しかも、今まで会ってきた妖たちの中でも強力な。








こんなの…どうしたら…







そう思った時





《………ぃ……憎いっ………》







……………えっ?






そんな声が、頭に響いた。





………………憎い?








「鴇葉、下がってろ。
これは俺が…」





「ま、待って颯悸!!!」







この様子から見て、今の声は颯悸には聞こえていないらしい。