「まだ一枚も終わってないの!!??
じゃあとりあえず、こっちの簡単なのからやって。
あたしはあんたが出来なさそうなのやるから。」
こんなけ散らかってるから多少は進んでると思ってたのに…
…ほんの1、2問くらいしか解いてないし。
ちょっとでも、期待したあたしがバカだった…。
チラッと颯悸を見ると、顔をしかめながら問題と向き合ってる。
そんな颯悸の姿を見て、なんだか笑えてきた。
「…颯悸。」
「んー?」
「…約束。
これからもずっと守ってよね!!!」
素直に言えないけど。
本当に嬉しかったんだ。
そんな昔の約束を、今でも覚えていてくれたこと。
「…はいはい。」
目線を外しながら、颯悸は少し照れくさそうに呟いた。
あんたの…
そういう優しいとこ好きよ。
「…だからいつまでも変わらないで。」
あたしは、プリントを解きながら颯悸に聞こえないくらい小さくそう呟いた。