職人の娘。

お母さんが帰ってきた…


仕事から帰ってきた。


怒られる!!


押し入れの扉を必死に押さえて、どうか開けられないように…それだけを必死に祈っていた。


案の定、扉の少し向こう側で、ばあちゃんがお母さんに詰め寄っている声が聞こえる。


しばらくしてその声が止んで、少しだけ油断した時。


思いっきり押し入れの扉が開いた。


「出てこい」


頭に白いタオルを巻いて片手に煙草を持ったお母さんが、そこに仁王立ちしてた。


小さくなって後ろをついていった。


ばあちゃんのいる台所のまで連れて行かれて、お母さんは顔色一つ変えずに、こう言ったんだ