私は、そう呟き。少女の顔を見た。
少女の顔立ちは、きりっとした目。細長いまつげ。高い鼻に、薄い唇。そして、長い薄紫色の髪。白いワンピース。白いブーツ。身長は、私より低いぐらい。
こういう風な少女は、物語の世界で言うと…　重要人物。私の配置は、それに巻き込まれる運命の女の子あたりかな。
まあ、それはいいとして。
「どうしよう…　この子」
少女は、しばらく起きる様子もない。肌は冷たくなっている。
「何があったのかな」
そう呟いたとき、後ろから声がした。
「その少女と、知り合いなんだけど」
私は振り向いた。背が高く体格がいい男性だった。嫌な気配を感じ、少女をおんぶして怪しい男性から逃げようとする。だが、その抵抗も虚しく私は捕まえられてしまう。ほかの怪しい男性が来て、少女を抱きあげた。そして、私に向かって最初の怪しい男性が言った。
「お嬢さんには、厄介事には巻き込まれてしまう前に忘れてくれ。この少女と会ったこともな」
見るからに、訳ありな感じで話す。
「じゃあな」
最初の怪しい男性は、片手で手を振りどこかへ去った。私は、ただただ呆然としているしかなかった。