バレンタインのキセキ。





もう、やだ、この人。

ドキドキしすぎてしまう。

心臓の音、聞こえそう。




あたしの方から、
竜の表情は見えないけど、
絶対あの笑みを浮かべてるに
ちがいない。



見たくても、見れないけど。


今振り向いたら、昨日のやつ
再びじゃんか。



まあいい、絶対あの笑みだから、
その笑みを崩してあげましょう♪








あたしは何を考えたのか、竜の足を、ハイカットをパンプスのかかとで思い切し踏んだ。



……両方とも。



「いっ……!」



竜はそのなんとも言えない痛みに、あの余裕な笑みを崩した。





うぇい♪

いっまのっうち〜♪



あたしは竜の腕から抜け出し、再び空中ぶらんこへと走り出した。



竜は余程痛かったのか、その場から動かなかった。




竜がその時、最高潮に悪魔な笑みを浮かべていたことは、知るよしもなく、あたしはやっとついた空中ぶらんこに乗る事ができた。







それはよかったんだけど、


あたし、マジ全然考えてなかった!