「もうおせえっつーの!真李奈が乗ったんだからな?オレに言われてボーッとして1番前に座った真李奈が悪いんだからな?」
『いやいやいや!竜が強制的に…!ってもう落ちる!?直角!?ねぇ、直角!?お願い、竜!ちょ、ちょ、手握らせて!ご、めんだけどっ!』
相変わらずの意地悪な笑顔の竜と、焦りすぎて混乱しまくって何言ってんのかわかんなくなってきたあたし。
とにかく、
怖いから手を握らせてほしい!
『竜ぅぅ…っ…手…』
もう泣いた。
半泣きどころじゃなくなった。
徐々に近づいてくる頂上を見て、あたしは限界がきたみたいだ。
流石に竜も驚いたのか、一瞬目を見開きそのあとはいつもどおりだったけど、あたしの手を握ってくれた。
ギュッと握られたのと、男っぽい手に、あたたかい竜の手にドキッとした。
…のがいけなかったのかもしれない。
今まで横を向いてたあたしは、いきなり体の下の方からくる、ふわっとしたゾクゾクする感覚がお腹あたりにきた。
ビックリして、竜の手を握ると竜も握りかえしてくれたのはいいんだけど…

