バレンタインのキセキ。





その頃妹のあたしは、さっきベッドに可哀相に投げられたI bodの中に入ったEX○LE(ていうか、あたしが無理矢理いれた)を聴きながら、お姉ちゃんに渡された、ヘアスタイルがのってる雑誌を見て髪型を決めていた。



うん、
ストレートのままでもいい。
けど、
巻き髪も可愛い。

アップも、ふわふわだんごも、
ポニーテールも、二つ結びも、
ハーフアップもいいと思う。


けどな〜、どうしまひょ。




しばらく考えながら、雑誌を眺めていると、



「真李奈〜!服決めたよ!着てみて!」


『あ〜い』



あたしは、I bodを耳から外し、雑誌を閉じて、きちんと、投げずにベッドに置いて、お姉ちゃんに渡された服一式を自分の部屋に持っていった。




――――――――……



コンコン

「真李奈、終わった?」


ノックの音と共に聞こえるお姉ちゃんの声。



『ん、終わった!開けていいよ』



ガチャ


「ひゃ〜!可愛い!似合うよ!」

『本当?』

「うん!流石あたし♪」

『あははっ』