あたしは、渡された紙袋を持ってお店を後にした。
すると直ぐに竜の姿を発見した。
もう撰び終わってるみたいで、あたしと同様、小さい紙袋を片手に持ちながらキョロキョロと回りを見回している。
あ、
あたし探してるとか?
普通に登場すんのは
面白くないから後ろから
『わっ!』っておどかして
みよーっと♪
まぁ、悪知恵が働いたあたしは、慎重に足を動かして、竜に近づいて行った。
『わっ』とおどかそうとしたところで、小さな男の子があたしと竜の間を勢いよく走って擦り抜けて行った。
…もんでして。
ドッシーン!!
『ひゃっ』
「ぅおっ!?」
あたしは男の子の走る勢いで、体勢を崩し、そのまま竜に後ろから抱き着くような形で、2人共転倒してしまった。
それも、マンガのように。汗
あたしの下に、竜がいる状態。
「…ってぇ。真李奈、何してんだ」
「よっ」と、言いながらあたしの近くにあった竜の顔があたしの方を振り返った。
『!!』
え…。
ちかっ!!

