バレンタインのキセキ。





『じゃあ…、このハートの指輪で、ハートのに"MARINA"、龍のに"RYU"って彫ってください!』



あたしが選んだハートの指輪は、竜と同じようなかんじで、刻まれてるのが龍じゃなくハートというようなものだった。



「かしこまりました。それでは、しばらくお待ち下さい」







そう言われて、
20分程経ったころ。




「お待たせ致しました。こちらでよろしかったですか?」



と、さっきの指輪2つを手に店員さんがあたしの所にやってきた。



龍の指輪にはちゃんと"RYU"
という文字。

ハートの指輪にはちゃんと"MARINA"
という文字。



何かカレカノみたい…。


ていうか、
めちゃくちゃいいね!
この指輪!!



『はい!!』


と元気良く返事をすると、店員さんは微笑み、レジの所へ行き、黒くて大人っぽい、小さい手提げの袋に入れてくれた。



「5000円です」

『はいっ』


パッと5000円を手渡し、レシートを受け取ると



『ありがうございました!』


とお礼を言った。



「いえいえ、またおこし下さい」