バレンタインのキセキ。





『竜、発見!!』


幼稚園児が、ゲームでお宝探しでもして、見つけた時のように、竜を見てそう言った。



あたしは、すぐさま竜がいるところに上ろうとしたけど……、



身長が、とどかない。

ジャンプしても、
とどかない。


えーっ!?
あたし一応163はあるよ!?


バスケ得意だから、
ジャンプ力結構あるよ!?


なのにとどかない!?


うわー…、
悲しいわ、何か。



『竜、上れない』


「は?」


『身長高いのに、上れない』


「なにちゃっかり自慢してんだよ」


『ジャンプ力あるのにとどか…』



「よっ」


ダンッ


『!!?』


いきなり竜が上から飛び下りてきた。



かと思えば、あたしを肩に担いできた。



『え、ちょ、はっ!?』


担がれたの初だよ!?
てか、何故担がれる!?

誘拐される気分だよ!



そして、そのまま器用に片手だけで上に上り、床にあたしを優しく下ろした。



すっごー!!

超鍛えてるんだ!!


普通こんな事出来ない
よね!?



『竜凄い!!あたし、重かったよね?』


「うん」